【読書録】お誕生会クロニクル
お誕生会クロニクル/古内一絵
マカン・マランシリーズ作者の物語だけあって、どれも優しい心に染み入る物語。
タイトルにある通り「お誕生会」にまつわるエピソードが5つ。
出てくる主人公はサラリーマンだったり主婦だったりするのだけれど、全員どこか不器用な生き方をしている。自分と共通するところがあるわけじゃないのに、心がえぐられる。
理想とする器用な生き方をちゃんとわかっているのに、それに近づけないもどかしさ。
まさに今の私。
自分自身「お誕生会」の記憶はあんまりないなぁ。家族で祝うくらいで友達呼んで~みたいな風習無かった気がする。でもそれで良かったのかも。
正直社会人になって、仲良い女子グループでプレゼント毎回渡すのしんどかったな。毎年やってるとネタ切れになっちゃうというか。お金出し合ってひとつを送るのも個別に買うにしても大変。
最近はコロナ禍でそれもないからとても楽。つくづく自分は薄情者だなと思う。
震災の日に生まれた双子の話は考えさせられた。
生まれる日は選べないのだから、どんな日でも平等にお祝いされるべきだとは思う。でも日付を聞いただけでみんなが連想してしまうほどの日って3・11ぐらいでは。
昔からクリスマスとか元旦とか他のイベント・行事と誕生日が被る人って大変だなぁ~なんて他人事に思っていたけれど。自分の誕生日にたくさんの人が亡くなったと思うと本人は気にするよね。これは当事者しか分からないことか。
誰かが生まれた日は、誰かが死んだ日でもある。それは仕方ないこと。
20代後半になって誕生日って複雑な日になってきたな。
嬉しいような悲しいような。素直には喜べない日になっちゃったな。
歳を重ねていくのは良いことだけど、やっぱり「老い」に対しての恐怖心がある。
マカン・マランシリーズも電子書籍で買ったから読みなおそう。
心が疲れたときにちょうどいい本。
優しくなりたいときに読む本。そう思う。
最近仕事がしんどい。
忙しいどころか暇ならなのに。今月は有給もたくさんとって働かない月間なのに。
最近その理由が判明した。
私には目標も成し遂げたいこともない。
もともと仕事に熱意があるタイプじゃないけど、目的も目標なく淡々と仕事するのはしんどい。
正直今の仕事に「飽きた」のだ。
コロナ禍でも給料減らず仕事変わらずの自分は本当に幸せだと思う。
仕事への不満なんて贅沢な悩みだとも思う。でもつらい。
何かに情熱を燃やしたい。
でも思い返せば今まで本気で取り組んできたことって何かあったっけ?
いつも中途半端なところで終わる。
色々本読んで自己分析してみて、もやもやは大分はっきりしたけど、それを打ち消す方法はまだわからない。
このままうだうだしながら30代を迎えそう。
それなりに幸せとは思いつつ満たされない。
人生そういうものなのかなぁ。